室内の音 新曲「sink」
2021_01_17
新曲「sink(台所のシンク台)」という曲を作りました。
コロナでなかなか遠出が出来ず、室内で何か作ろうという事で。
「心落ち着けるものがいい」と思い、ふと法事の読経の雰囲気をヒントにして
作り始めたのですが「もっと面白く」と変化を持たせて行って
結局、無心にはなれず、雑念で作ってしまいました。
水の音とグラスコップの音を録音し
それを細切れに刻んで、自分の心地良い間合いで再配置しました。
もともとあったオーディオデータ、それも環境音をいじっているので
ボーッと聴いてると、もともとそういうものだと思って聞き流すという(笑)
でもそんな音の配置はありえなくて、潜在的にある流れを作っている。
地味だけど、魔力的です。
環境を組み替えて再配置する、自我だけ脳内だけで答えを出さず
自分の外の世界と相談しながら決めるといった感じでしょうか。
これをサンプラーでMIDI打ちしちゃうと、制御が掛かりすぎて
あまり面白く無かったりします。
レストランで食器がカシャカシャ鳴ってる音って心地良いのですが
今回は台所シンクで水の入った桶の中のグラスのイメージ。
ある風景、心象風景が浮かぶものは面白いですね。
無差別に面白い音だけを選ぶと、抽象イメージになってしまって
自分との接点を感じなかったりして。
馴染みのある音で、ちょっと世界がズレるというのが
面白いかもしれません。
saegusa
新曲「sink(台所のシンク台)」という曲を作りました。
コロナでなかなか遠出が出来ず、室内で何か作ろうという事で。
「心落ち着けるものがいい」と思い、ふと法事の読経の雰囲気をヒントにして
作り始めたのですが「もっと面白く」と変化を持たせて行って
結局、無心にはなれず、雑念で作ってしまいました。
水の音とグラスコップの音を録音し
それを細切れに刻んで、自分の心地良い間合いで再配置しました。
もともとあったオーディオデータ、それも環境音をいじっているので
ボーッと聴いてると、もともとそういうものだと思って聞き流すという(笑)
でもそんな音の配置はありえなくて、潜在的にある流れを作っている。
地味だけど、魔力的です。
環境を組み替えて再配置する、自我だけ脳内だけで答えを出さず
自分の外の世界と相談しながら決めるといった感じでしょうか。
これをサンプラーでMIDI打ちしちゃうと、制御が掛かりすぎて
あまり面白く無かったりします。
レストランで食器がカシャカシャ鳴ってる音って心地良いのですが
今回は台所シンクで水の入った桶の中のグラスのイメージ。
ある風景、心象風景が浮かぶものは面白いですね。
無差別に面白い音だけを選ぶと、抽象イメージになってしまって
自分との接点を感じなかったりして。
馴染みのある音で、ちょっと世界がズレるというのが
面白いかもしれません。
saegusa
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新年のごあいさつと新曲「creak」
2021_01_10
あけましておめでとうございます。
コロナ禍の中での新年は、あまりお正月という気がしませんでしたが
第3波のピークが、まだこれからだろうと言われてる時期でもあり
先の見えない日々がまだ続いて行く年でもあります。
良い事もあり、元旦3日のRADIO SAKAMOTOで「meandering(a film by sayuki)」が
2020年の年間優秀作に選ばれ、教授からのコメントも頂きました。
勝手に「今年も何かいいものをよろしく」と言われた気になって
引き続き応募は続けようと思っています。
そして、新曲の「creak」を作りました。
これは、去年の年末にホームセンターや古具屋で購入した金属パーツなどを用いて
それらの組み合わせで作った曲です。
ギギギギとかキーキーと金属が軋む音をメインに持ってきました。
軋む音だけだとちょっとキツいので、曲にして聴き易くした感じです。
古井戸の音などを聞いてると何となく心が落ち着きますが
一方でカタカタ、ギギギギ、キーキーと、ちょっと暴力性を感じる一面もあり
怖いとか、苦手だと感じる人もいるかもしれません。
その辺のバランスの制御もしながら作っているつもりでいますので
耳の冒険だと思って聴いて頂けると嬉しいです。
不規則に絶え間なく鳴っている金属音をメインに
シーケンスは極力シンプルにといった感じです。
作り方は、特に今までの曲と変えたところはありません。
作曲に関する枝分かれしたアイデアがいくつかあるのですが
アイデア的には「meandering」と「crate」の延長にあると思っています。
効果音(環境音)と人工的な演奏(シーケンス)が
丁度バランスが取れて一体になったところを目指して作っています。
saeagusa
あけましておめでとうございます。
コロナ禍の中での新年は、あまりお正月という気がしませんでしたが
第3波のピークが、まだこれからだろうと言われてる時期でもあり
先の見えない日々がまだ続いて行く年でもあります。
良い事もあり、元旦3日のRADIO SAKAMOTOで「meandering(a film by sayuki)」が
2020年の年間優秀作に選ばれ、教授からのコメントも頂きました。
勝手に「今年も何かいいものをよろしく」と言われた気になって
引き続き応募は続けようと思っています。
そして、新曲の「creak」を作りました。
これは、去年の年末にホームセンターや古具屋で購入した金属パーツなどを用いて
それらの組み合わせで作った曲です。
ギギギギとかキーキーと金属が軋む音をメインに持ってきました。
軋む音だけだとちょっとキツいので、曲にして聴き易くした感じです。
古井戸の音などを聞いてると何となく心が落ち着きますが
一方でカタカタ、ギギギギ、キーキーと、ちょっと暴力性を感じる一面もあり
怖いとか、苦手だと感じる人もいるかもしれません。
その辺のバランスの制御もしながら作っているつもりでいますので
耳の冒険だと思って聴いて頂けると嬉しいです。
不規則に絶え間なく鳴っている金属音をメインに
シーケンスは極力シンプルにといった感じです。
作り方は、特に今までの曲と変えたところはありません。
作曲に関する枝分かれしたアイデアがいくつかあるのですが
アイデア的には「meandering」と「crate」の延長にあると思っています。
効果音(環境音)と人工的な演奏(シーケンス)が
丁度バランスが取れて一体になったところを目指して作っています。
saeagusa
屋内での録音、新曲「writing」
2020_11_20
新曲「writing」を作りました。
今回は屋内での録音で「紙と鉛筆」をテーマに。
テーマにと言っても、パソコンやスマホのせいで「ページをめくる」とか「ものを書く」といった
行為が極端に減り、それらの音に再度埋もれてみたいという衝動だけの曲です。
更にやって行くうちに紙を破りたい衝動も出てきて......破った音も入ってます。
音源は、鉛筆、サインペン、ボールペン、文庫本、雑誌、新聞紙、紙袋。
所作音にキャラクターがあるというのが面白くて、そういう録音・編集をしました。
「ドタドタと廊下を歩いてくる」とか「コトコトと静かに台所で料理する」とか
「誰(どういう人)が出している音か」というキャラクターが欲しかった。
具体的に言うと、キレのあるガサガサ音を出すとか、音を細切れに切って
それらをズラして合わせて行って、こぶしの様なグルーブが出たらOKにするとか。
なので一音一音を組み立てて行くというよりは、とりあえず思い付きで録ってみる。
で、音の入ったバケツをひっくり返して、それらの中身を整理して行く感じです。
曲の流れがぎこちなく不自然になったところは補足調整して。
本来、紙がガサガサ鳴ってたり擦れている音を編集するのは、トラックが増えてくると
混沌としがちで難しいのですが、そこは頑張って何とか整理しました。
楽器音源も合わせてみたのですが、邪魔になってしまって止めました。
最近、楽器とか演奏をあまり聴く気になれず、その分環境音を聴く比率が増えました。
コロナ禍によって増えた静寂、より意識するようになった環境音。
鳥の鳴き声が聞こえて、風で木が揺らぐ音が聞こえて。
コンサートなどの催しが減って、環境音を聞く機会が増えたと。
紙と鉛筆で作った曲は貧しいのか、価値は無いのか。
僕は土壌が豊かになったと取っています。
saegusa
新曲「writing」を作りました。
今回は屋内での録音で「紙と鉛筆」をテーマに。
テーマにと言っても、パソコンやスマホのせいで「ページをめくる」とか「ものを書く」といった
行為が極端に減り、それらの音に再度埋もれてみたいという衝動だけの曲です。
更にやって行くうちに紙を破りたい衝動も出てきて......破った音も入ってます。
音源は、鉛筆、サインペン、ボールペン、文庫本、雑誌、新聞紙、紙袋。
所作音にキャラクターがあるというのが面白くて、そういう録音・編集をしました。
「ドタドタと廊下を歩いてくる」とか「コトコトと静かに台所で料理する」とか
「誰(どういう人)が出している音か」というキャラクターが欲しかった。
具体的に言うと、キレのあるガサガサ音を出すとか、音を細切れに切って
それらをズラして合わせて行って、こぶしの様なグルーブが出たらOKにするとか。
なので一音一音を組み立てて行くというよりは、とりあえず思い付きで録ってみる。
で、音の入ったバケツをひっくり返して、それらの中身を整理して行く感じです。
曲の流れがぎこちなく不自然になったところは補足調整して。
本来、紙がガサガサ鳴ってたり擦れている音を編集するのは、トラックが増えてくると
混沌としがちで難しいのですが、そこは頑張って何とか整理しました。
楽器音源も合わせてみたのですが、邪魔になってしまって止めました。
最近、楽器とか演奏をあまり聴く気になれず、その分環境音を聴く比率が増えました。
コロナ禍によって増えた静寂、より意識するようになった環境音。
鳥の鳴き声が聞こえて、風で木が揺らぐ音が聞こえて。
コンサートなどの催しが減って、環境音を聞く機会が増えたと。
紙と鉛筆で作った曲は貧しいのか、価値は無いのか。
僕は土壌が豊かになったと取っています。
saegusa
フィールドレコーディング 新曲「merging」
2020_09_28
久々に野外録音をして曲を作りました。
今回のテーマは時間軸の「merging(統合)」です。
ある時、部屋でラジオとテレビを同時につけると時間軸は2つに、
自分が洗濯物をたたんでいると3つになると感じた事がありました。
「同期していない複数の時間軸をゴチャゴチャにならない様に
1つにまとめるにはどうしたら良いか?」という発想から曲を作りました。
時間経過を表すのに足音を選びました。
足音、ノイズ音などを「パンで振り分ける」「時間経過を切って間引く」
「補足調整をする」といった至ってシンプルな手法で組み立てました。
楽器音源は一切使っていません。
また、時間の等分割は一切していません。
足音の歩調さえ、細かく言えば正確なリズムで鳴っていない
というのが前提です。
つまりは、曲中に一切の同期するものが無い状態です。
結果、「足音に合わせて場所を移動して行く」「空間が交差する」
みたいなニュアンスが出ました。
フィールドレコーディングって、1点から耳を澄ませるというイメージがありますが
移動して行く感覚のものって、僕は聞いたこと無かったので
やっててちょっと新鮮でした。
「耳に面白い」と感じて頂けたら成功で、「この感じ好き」と思って頂けたら
大成功です。
saegusa
久々に野外録音をして曲を作りました。
今回のテーマは時間軸の「merging(統合)」です。
ある時、部屋でラジオとテレビを同時につけると時間軸は2つに、
自分が洗濯物をたたんでいると3つになると感じた事がありました。
「同期していない複数の時間軸をゴチャゴチャにならない様に
1つにまとめるにはどうしたら良いか?」という発想から曲を作りました。
時間経過を表すのに足音を選びました。
足音、ノイズ音などを「パンで振り分ける」「時間経過を切って間引く」
「補足調整をする」といった至ってシンプルな手法で組み立てました。
楽器音源は一切使っていません。
また、時間の等分割は一切していません。
足音の歩調さえ、細かく言えば正確なリズムで鳴っていない
というのが前提です。
つまりは、曲中に一切の同期するものが無い状態です。
結果、「足音に合わせて場所を移動して行く」「空間が交差する」
みたいなニュアンスが出ました。
フィールドレコーディングって、1点から耳を澄ませるというイメージがありますが
移動して行く感覚のものって、僕は聞いたこと無かったので
やっててちょっと新鮮でした。
「耳に面白い」と感じて頂けたら成功で、「この感じ好き」と思って頂けたら
大成功です。
saegusa
ポエトリーリーディング 新曲「sheen」
2020_07_22

以前、ライブイベントでご一緒した白亜紀ヴィジョンさんと
ポエトリーリーディング曲「sheen」を作りました。
「ストーリー性のあるものよりも、響きの面白さがある詩を作って欲しい」というお願いをして
何となくイメージの連想だけが残るみたいな曲を目指しました。
なので録音時の朗読の仕方も、変なところで言葉をブツ切りにしたりして
不自然な響きや引っかかりをあえて作りました。
白亜紀さん曰くは、「生活をしている中から出てきた言葉」だそうで
何となく日常の風景が感じ取れればいいなと思います。
僕は、音楽を聴きながら歌詞の文脈を追えないのですが
テレビなどで音楽へのコメントを見てると、歌詞に関する事が凄く多い。
何かで「音楽を聴きながら歌詞の文脈を追ってる時に使ってる脳と
音楽を聴いてる時に使ってる脳は、脳の使ってる部分箇所が違う」と読んだのですが
「日本人は左脳で音楽を聴いてる人が多い」という話に通じるのでしょうか。
日本は、古来から言葉を大切にする文化だという事は確かだと思います。
ですが、この曲に関しては、意味・内容よりも言葉の持ってるイメージと響きだけを
感じる曲にしたかったという意図がありました。
音源は、ガラス瓶や金属部品など、まあ一言で言うとガラクタです。
そこにベルの音やオルゴールボール、シンセ音源などを少し足して
音楽らしさを出しました。
言葉のアクセントや声を発するタイミングに調子を合わせるように音を乗せていきました。
曲が短いのは、ガラクタを全部使い果たして音源が尽きたという理由が大きいです(笑)
また集め直さないと続かないという。
saegusa


以前、ライブイベントでご一緒した白亜紀ヴィジョンさんと
ポエトリーリーディング曲「sheen」を作りました。
「ストーリー性のあるものよりも、響きの面白さがある詩を作って欲しい」というお願いをして
何となくイメージの連想だけが残るみたいな曲を目指しました。
なので録音時の朗読の仕方も、変なところで言葉をブツ切りにしたりして
不自然な響きや引っかかりをあえて作りました。
白亜紀さん曰くは、「生活をしている中から出てきた言葉」だそうで
何となく日常の風景が感じ取れればいいなと思います。
僕は、音楽を聴きながら歌詞の文脈を追えないのですが
テレビなどで音楽へのコメントを見てると、歌詞に関する事が凄く多い。
何かで「音楽を聴きながら歌詞の文脈を追ってる時に使ってる脳と
音楽を聴いてる時に使ってる脳は、脳の使ってる部分箇所が違う」と読んだのですが
「日本人は左脳で音楽を聴いてる人が多い」という話に通じるのでしょうか。
日本は、古来から言葉を大切にする文化だという事は確かだと思います。
ですが、この曲に関しては、意味・内容よりも言葉の持ってるイメージと響きだけを
感じる曲にしたかったという意図がありました。
音源は、ガラス瓶や金属部品など、まあ一言で言うとガラクタです。
そこにベルの音やオルゴールボール、シンセ音源などを少し足して
音楽らしさを出しました。
言葉のアクセントや声を発するタイミングに調子を合わせるように音を乗せていきました。
曲が短いのは、ガラクタを全部使い果たして音源が尽きたという理由が大きいです(笑)
また集め直さないと続かないという。
saegusa